さとみさとみ

結納をきちんとやろうとするとすごく大変ですね。

ゆり子ゆり子

そうね、親世代はだいたいみんな結納しているからね。すごいよね。

 

結納とは?

結納とは、婚約を口約束ではなく確かなものとするために両家で金品を贈り合う、日本古来の儀式のことを言います。基本的には、新郎の家から新婦の家へと結納品を送り、新婦側は代わりに結納返しを行います。

最近は結納より顔合わせを行うカップルが全体の8割

最近では、結婚をするカップルの約8割が結納ではなく顔合わせと呼ばれる両家集まっての食事会を行う傾向にあります。結納を行う場合でも、仲人を立てずに両家のみで行う家庭がほとんどです。

さとみさとみ

それでは、地域ごとの結納のやり方を見ていきましょう。

関東式結納は、結納品9品、結納金70万が平均的

北海道・沖縄を含む関東では、7品~9品の結納品を1つの台の上にのせ、新郎新婦の両家で同じ結納品を用意し交換します。

結納金は新郎家から新婦家へは「御帯料(おんおびりょう)」という名目で、新婦家から新郎家へは「御袴料(おんはかまりょう)」という名目で贈られます。結納金の平均額は70~90万円、結納返しの平均割合は半額~3割前後です。

結納品の中身は、9品が一般的

  1. 目録(もくろく)= 結納品の一覧を書いた紙
  2. 長熨斗(ながのし)= 不老長寿を願うもの
  3. 金包(きんぽう・結納金)= 結婚生活に使うお金
  4. 勝男節(かつおぶし)= 男性らしさの象徴
  5. 寿留米(するめ)= ご縁が続きますように、という意味
  6. 子生婦(こんぶ)= 子宝に恵まれますように、という意味
  7. 友志良賀(ともしらが・白い麻糸や麻紐)= 共に白髪になるまで仲睦まじくいよう、という意味
  8. 寿恵広(すえひろ・一対の扇)= 両家の繁栄が末広く続きますようにという意味で一対
  9. 家内喜多留(やなぎだる・酒肴料)= 食事(酒や肴)を共にすることで両家とも末永くよろしく、という意味になります。

目録の宛名は、関東中心は本人同士、北関東・東北・北海道・沖縄では父親同士行うのが一般的です。

沖縄ならではの結納方法

沖縄では本土でいう結納に相当するのに、酒盛(さきむい)があります。各地で呼び名は違っています。「酒盛」と称するのは、男性側が持参した泡盛で盃を酌み交わすことからきています。

北海道ならではの結納方法

結納品の他に家族書、親族書、健康診断書(本人)を添えるが、家族書、親族書は添えない家庭が多い。嫁方では結納の受書を準備し、桜花湯、昆布茶、菓子等で接待する。仲人が酒一升鯣一束を嫁方に持参する。両親、本人で持参する場合もある。

関西式結納は結納品9品、結納金は100万円が一般的

四国を含む関西では、関東と違い新郎家から新婦家へのみ5品~9品の結納品が贈られます。1つ1つの結納品ごとに同じ数の豪華な飾りをほどこした台を用意します。結納金の平均額は100万円、結納返しの平均割合は2割以下です。

結納品の中身は、9品が一般的

  1. 松の水引飾りと小袖料(こそでりょう・結納金)
  2. 竹の水引飾りと家内喜多留(酒肴料)
  3. 梅の水引飾りと松魚料(しょうぎょりょう・肴料)
  4. 高砂人形(たかさごにんぎょう)= 友白髪と同意
  5. 結美輪(ゆびわ)= 婚約指輪
  6. 長熨斗
  7. 子生婦
  8. 寿留米
  9. 寿恵広

目録の宛名は、「家同志」が一般的です。

九州式結納は、結納品が9品、結納金は80万円が一般的

結納のしきたりが重んじられる九州では、関西式と同じく新郎家から新婦家へのみ7品~9品、家庭によっては11品の結納品が贈られます。台飾りについては関西よりも、より豪華になる傾向があります。結納金の平均額は80万円、結納返しの平均割合は2割以下です。

結納品の中身は、上記9品に加え縁起物が数点

10.清酒= 米や米麹が原料の日本独自の酒。米は神より与えられた神聖な食物であり、生涯食事に困らないように、という意味

11.12尾の真鯛= 新郎新婦が末永く一生を共にという意味で2尾

13.御知家(おちや・番茶)= 箱や壺に入れた番茶。お茶は植え替えがあまりきかず、染め物にも使われることから「婚家に根付き、婚家に染まる」ように、という意味

酒や肴を祝いの席へ持参するのは大変、という理由で現代では酒肴料として現物ではなく金包で省略されてきましたが、しきたりを重んじる九州ではかつての名残として現物もあわせて持参します。

目録の宛名は、「家同志」が一般的です。

両家の出身地が違う場合どうする?

結納金は新郎側から新婦側へ贈られるので、新郎新婦の出身地が違う場合は基本的に新郎側のしきたりに合わせます。しかし、新婦側の両親がその地方のしきたりを重んじる場合などは、新婦側に合わせても問題はありません。

絶対にこちらに合わせなければならない、というルールはないので両家でよく話合いを行いましょう。
また、仮に関東で関西式の結納を行う場合、結納品のなかで関東ではなかなか入手しづらい品もあるでしょう。

 

そのような場合はインターネット上の結納通販ショップを利用するか、先方にその品を準備してもらい、その分の金額を酒肴金に上乗せしてお渡ししても良いでしょう。